ホームページを「本」に例える
インターネットを巨大な図書館、ホームページを本、インターネット検索エンジンを司書に例えてみましょう。
少しではありますが、インターネットの在り方、ホームページの在り方、そしてインターネット検索エンジンの役割が見えてきます。
そうすることで、ホームページにどのような情報を持たせれば良いのかもおのずと見えてくるのです。
その図書館は、日々無数の新刊本が追加される巨大な図書館です。
棚を整理する間はなく、その図書館では特定の本を読むためには専属の司書に頼るしかありません。しかし、一度その本の置き場所がわかれば、誰でも覚えられるので、二度目に読む時には必ずしも司書を頼る必要はありません。
その図書館を訪れる人は様々なニーズを持っていて、司書は常に来訪者の希望を聞き、その人にピッタリな本を紹介します。もちろん、一冊だけでは希望に沿わないかもしれないので、10冊ずつプライオリティを付けて紹介することにしています。なかなか希望の内容の本が出てこない場合、来訪者は司書への希望の出し方を変えたりします。時には絞り込むためにより具体的に、そして時にはもっと幅広く探したいので、わざと漠然にしたりして、工夫します。
司書は、これまでも数えられないくらい来訪者の要望を聞き、本を紹介してきました。様々な要望に対して、どのような本を紹介すればいいのか、常に考えています。経験上、どのような質問に対してどのような「ニーズ」が隠されているのか、また、それぞれの質問の類似性や関連性などを常に試行錯誤して過ごしています。
そんな司書には頼りになる相棒のネズミがいます。
司書は、自分自身は来訪者の質問を受け付けなければいけませんから、その場をはなれることが出来ません。ですが、その図書館には常に無数の書籍が運ばれてきます。それも整頓されず、様々な場所に無尽蔵に積まれていくのです。
常に増殖する書籍の場所を、リアルタイムで知っていなければ司書は務まりません。ですが、司書は来訪者の要望を聞くのに手がいっぱいです。
そこで、その頼りになる相棒のネズミは常に図書館の中を走り回り、どこにどんな本があるのか、どんな本が増えたのか、また元々ある本がどのように書きかえられたのかを調べ回り、司書に教えています。
その情報を基に、司書は来訪者に本を薦めているのです。
ネズミはあまり賢くなく、その本の決まった部分だけを決まった読み方で覚えます。自分の知らない書式の本や、写真だけの本にはあまり興味がありません。
その図書館に積まれている本には様々なものがあります。
タイトルがないのに中身が膨大で、おまけに整理されていない本、タイトルだけはやたらと長いのに中身が全くない本、タイトルと中身が著しく関係ない本、画像だけの本、他の本に内容がそっくりな本、他と本と全く同一の本、出来たての本、もう何年も様々な人に読まれている本、とても沢山の本に紹介されている本、沢山ではないけれど有名な本から紹介されている本など、挙げればキリがありません。
ネズミはただひたすら、図書館の中を走り回ります。一度みた本も、何度も見ることにしています。書き変わっているかもしれないからです。
司書はそれらの情報を全て覚えています。覚えたうえで、分析しています。
「この本ははたしてこの要望に沿っているかどうか」という基準で、プライオリティをつけているのです。
全ては来訪者がすぐ目的の本に辿りつけるようにするため、常に試行錯誤しているのです。
試行錯誤する中で、ある程度は基準も出来ています。ですが、司書はそれを決して人には伝えません。誰かにバレてしまうと、本の作者たちはその通りに本を書き始めることがわかっているからです。
そうなると、また新たな基準を作らなくてはいけません。プライオリティは必ずつけなくてはいけないからです。
ですが、その図書館を利用していくうちに、だいたい「このような本が推薦されそうだ」ということをなんとなくみんな気付き始めました。
そこで、図書館の利用者でもある本の作者たちは、自分の本が司書に気に入ってもらえるよう、推薦してもらえるようにあの手この手を尽くし始めました。
特定の単語を印象付けようとして同じ単語をひとつのページに何度も書いてみたり、古い紙を使って本を書いてみたり、他の本からの推薦を集めてみたり・・・。その工夫は多岐にわたります。
それら全てを、司書の相棒ネズミは拾い上げ、司書に伝えます。
なかにはそれで酷くなってしまった本もありました。そのような本は、司書はもう人に推薦しないようにしました。

如何でしょう。図書館はインターネット、本はホームページ、司書は検索エンジン、ネズミは巡回ロボットに置き換えてみると、インターネットの仕組みが少し紐解かれたのではないでしょうか。
インターネット検索エンジンは単なる自動出力装置ではありません。そこにはある一定の「目的」があります。それは利用者がいち早く目的の情報に辿りつけるようにすることです。
もちろん、様々な情報を含んでいるポータルサイトや、情報ソースとして信頼できる大手ニュースサイト、メーカーサイト、学術系のサイトなどは優遇されます。
だからといって、それらのサイトの「真似」をしようとないようを複製してしまうと、今度は「不正」と捉えられてしまいます。オリジナリティのある情報を、ニーズに沿うカタチで体系的に提供することが、上位表示への最短距離なのです。
体系的に、とはサイト内のつくりはもちろん、ページなかでも先に紹介したタグなどでまとめておけば、巡回ロボットに対して非常に親和性の高いつくりになるのです。