検索エンジンの収入の仕組み
検索エンジンは、インターネットへの入り口として常に無数の人が利用しています。
しかし、私たちはインターネット検索を行うために検索エンジンに対して「利用料」を払うようなことはしていません。常に無料で利用しています。
しかし、検索エンジンは先に触れたように膨大な技術で構成されています。そのアルゴリズム、自動的に巡回するロボットプログラム、各Webサイトをインデックスさせるためのサーバーなど、挙げるとキリがありません。そして、検索エンジンを運営しているのはボランティア集団ではありません。当然ながら、「収益」を追う必要がある、企業なのです。
気になる検索エンジンの主な収入源は、「広告収入」です。
インターネット検索は、常に様々な人が利用しています。そして「検索」という行為は能動的なものです。「検索させられている」という人はいません。
人が「検索」という行動をとるとき、「何かを知りたい」だとか、「何かを見たい」、そして「何かを買いたい」などの「ニーズ」があります。
「検索」というアクションだけではインターネットは完結しません。どのような検索も、必ず「その先」があるのです。「その先」は、検索する人の欲求によって様々ですが、「ニーズ」や欲求は、人の行動を起こす原動力になるものです。
わかりやすく表現すると、「検索」の先に「購入」という経済活動があるかもしれません。
インターネットショッピングではなくても、あらかじめWEBページで情報を得ておいて、改めて購入するのかもしれません。
また、様々な情報に触れる中で、呼び起されるニーズもあります。
とあるアニメのファンサイトを見ていたら、無性にプラモデルやフィギュアが欲しくなった、などということも起こるでしょう。
情報は、人のニーズを満たすと同時に、人のニーズを喚起するものでもあるのです。そして、インターネット上の情報を、検索エンジンは網羅し、整理しているのです。
ここに検索エンジンにとっての最大のビジネスチャンスがあります。
元々、「メディア」というものは「広告」に支えられているものです。
「大勢の人に見られる」というだけで、広告的価値を生むのです。各企業は、メディアの中のコンタクトポイントを「購入」します。テレビCMなどをイメージすると、わかりやすいかと思います。いわゆる、「スポンサー」です。
インターネト検索エンジンも、この「スポンサー」によって支えられています。
具体的には、検索結果の画面上に、スポンサーの広告を表示させるのです。
さらには提携、または運営するWEBサイト上に広告ネットワークを張り巡らせ、そこでも広告枠を設けていたりします。
ただ、検索エンジンへの広告出稿はテレビCMなどとは少し違い、条件があります。
お金を積めば、誰もが表示させることができるわけではありません。
通常であれば検索結果の画面には、10ほどのリンク先が並びます。その中で足りなければ次のページへ繰り下げて、必要な情報を探します。そしてパソコンの画面のサイズは様々ありますが、必ず限りがあります。その中で「広告だけしか表示されない」となってしまっては、「検索エンジン」としての価値がなくなってしまうのです。
ですから、検索エンジンが出力する、「検索結果」への広告出稿には限りがあります。
そして、必ず「順位」があります。そして検索されたキーワードに対しての「親和性」も加味されます。
ですから、「検索結果」への広告出稿はほとんどのパターンが「入札制」となっています。
そして、むやみやたらには出稿できないように、「審査」があります。
例えば、「パンを焼く」というキーワードに対して、「炊飯器」の広告が出てしまったらどうでしょう。
そのキーワードで検索している方のニーズに応えることができるでしょうか。
または、「美味しいお店」と検索した方に対して、「ゲームソフト」の情報が表示されてしまったらどうなるでしょうか。
答えは簡単です。「不便だ」と感じた人は、もうその検索エンジンを使わなくなります。
使われなくなった検索エンジンは無価値です。そして誰も見ないサービスは、広告になりません。
このようなことから、「キーワード」と「広告内容」は親和性があるものに限られるのです。
検索する人が利便性を感じられるような広告モデルが、検索結果への広告、専門的に「リスティング広告」と呼ばれているものです。
現在ではWEBマーケティングの根幹ともいえるべき広告となっていて、そのとり引き金額は膨大な額に及びます。
そして、検索エンジンは提携するWEBサイトに対しても広告枠を持っていることが多いです。
その広告は、そのサイトの「コンテンツ」の内容を加味し、そのWEBサイトを閲覧している人がもつ「ニーズ」にマッチした広告を表示させます。
その広告はより直観的な画像であったり、時には「動画」であることもあるでしょう。
このように、検索エンジンはインターネットに対する人々の「ニーズ」を捉えた広告を提供することで、その広告費で成り立っているのです。